熱燗やちゃんぽんは酔いやすいってほんと?

夏は冷たいビールが最高ですが、冬になれば、日本酒の熱燗や焼酎のお湯割りで心身を暖める人は少なくありません。また、ウイスキーやブランデーのお湯割りは、一段と香りが高く、まさに大人のお酒です。しかし、その一方で、熱燗やお湯割りは冷や酒や水割りに比べて酔いやすいという話もよく聞きます。

実際、暖かい飲み物を飲むと身体が温まり、血流が良くなる事は言うまでもありません。その分、アルコールの吸収速度は高まり、脳にアルコール入り血液が送られる時間も早まります。酔いやすいのは間違いないでしょう。

ただ、早く酔いが回るから悪酔いするのかと言えば、必ずしもそうとは言えません。まず、ここでもやっぱり一つ勘違いしてはいけない事があります。

それは、熱燗でも冷やでも日本酒は日本酒、同じ銘柄なら、アルコール濃度は同じであるという事です。つまり、1合のお酒を飲めば肝臓が処理しなければならないアルコール量は同じで、その処理時間も同じです。

とは言え、早く血中に溶ければ、早くアセトアルデヒドに変化しますから、ビールや冷酒を飲んだ時よりも早く顔が赤くなる事になるでしょう。これは焼酎や洋酒のお湯割り、さらにホットワインでも同様で、暖かいお酒を飲めば、早く吸収され、酔いは現れます。

ですが、面白い事に、熱燗や焼酎のお湯割りを一気飲みする人は殆どいません。グイグイ飲むなら、やっぱりビールや焼酎の水割りなど、冷たいお酒でしょう。そう、暖かいお酒は、吸収は速くても、短時間に大量に飲む事を抑えられる確率が高く、アルコールの処理能力に合わせたペースで長時間飲み進めやすいと言えます。結果、悪酔いしたり、二日酔いになりにくいのです。

実はこれは、“ちゃんぽんすると悪い酔いする!”という事にも繋がります。そもそも何種類のお酒を飲んでも、問題となるのはその主成分のメチルアルコールであって、酒類によって身体の対処が変わる訳ではありません。

ただし、酒類が変わればアルコール度数が変わるため、そのトータルで血中アルコール濃度を計算するのは大変です。つまり、自分は日本酒2合までなら大丈夫という人でも、最初に低アルコールのビールを飲んでしまうと、その後、日本酒をどれだけ飲むと限界を超えるのかが、心身ともに分からなくなってしまうのです。

例えば、ちょうど良い飲み方と言われるほろ酔い気分にとどめるには、生ビールの中ジョッキなら2杯、日本酒なら1合と言ったところでしょう。何故なら、ほろ酔い期の血中アルコール濃度はマックス0.1%で、ビール中ジョッキ1杯のアルコール濃度が0.05%、日本酒1合のアルコール濃度が0.054%だからです。

ところが、これがビール中ジョッキ1杯と日本酒1合となると、0.104%となり、完全に超過してしまいます。実際には、0.11%までならほろ酔い期として認めるという見解が一般的ですから、特に問題はないかと思われますが、酒類が変わるとこうした誤差が大きくなり、実際の安全圏内が分からなくなってしまうのです。

しかも、目先が変わればいろいろ食べられるというのと同じように、目先が変わればいろいろ飲めるという人は大勢います。
そうなると、もはや酔っ払いまっしぐら!! 悪酔いしても不思議ではないという訳なのです。