大人の飲み方 or 子供の飲み方? 中途半端はいけません!!

常日頃から良質なタンパク質とビタミンやミネラルをしっかり取り、適度な運動をして肝機能を高める。直前にアルコールの吸収を抑える飲食をするなどなど、飲酒時の悪酔い対策はあれこれありますが、やはり最も功を奏すのは、最初にきちんと飲酒量を決めておく事でしょう。

目指せ「ほろ酔い期」!

確かにアルコールは元々強い麻痺作用を持つ物質で、体内で酸化するとアセトアルデヒドという毒物に変化します。決して身体に良いものではありませんから、苦手な人は勿論、好きな人でも、なるべくセーブし、控えるに限ります。特に飲めない人や飲みたくない時は、無理に飲む必要などありません。

しかし、その一方で、アルコールの麻痺作用は、ストレスを押さえると同時に気分を高揚させ、心身をリラックスさせてくれます。また、コミュニケーション能力を高めてくれる事も多く、正の強化効果をもたらすと見ていいでしょう。そこで、飲む時は飲むべきものだとも言えそうです。ただし、あくまでも「ほろ酔い期」にとどめ、酩酊初期に入らないような飲み方やペース配分を考える事が大切になります。

とは言え、それが出来るくらいなら苦労しないというのが酔っ払いの言い分。また、ある程度飲まないと場が持たないとか、付き合いが悪いと言われるとおっしゃる方も少なくありません。だったら、ある程度飲んでも酩酊初期に入らないような作戦を練ればいい訳です。

そこで参考になるのが、先の主なアルコール飲料のアルコール度数です。確かにほろ酔い期でとどめたい場合、生ビールなら中ジョッキ2杯、日本酒なら1合という事で、1時間半から2時間の宴会を乗り切るには不足です。自分も周りも納得しない、満足しないといったところでしょう。

ですが、ここで一つ注目したいのが、酔いのレベルと血中アルコール濃度との関係です。血中アルコール濃度が0.02%から0.04%で爽快期、0.05%から0.10%でほろ酔い期、0.11%から0.15%で酩酊初期、0.16%から0.30%で酩酊期とされています。これをよく見ると、なんと、各段階と段階の間には0.01%の空白があるではありませんか!!

つまり、この範囲内の摂取量なら、体内でのアルコール分解量とうまく比例し、少々超過しても酔いの進行を抑えられるという事です。そこで、計算上は爽快期ではNGとされる生ビールの中ジョッキも1杯までならOK、日本酒も1合までならOKと言われています。実は、これはほろ酔い期にも当てはまる事で、生中2杯はそのままですが、日本酒の場合、2合までで止めておけば、酩酊初期に移行する確率は、そう高くありません。そう、アルコール濃度の高い血液さえ作られなければ悪酔いは防げるのです。

強いお酒で勝負を賭けるのもあり!! 大人の飲み方の勧め

それでは、上記の事を踏まえて、改めて作戦を練ってみましょう。まず、注目すべきは、アルコール度数の高さと飲酒量、そして、血中アルコール濃度の微妙な関係です。当然、アルコール濃度の高いお酒は酔いやすい! これが多くの方の固定観念ではないかと思われます。

事実、アルコール度数の強いお酒は速く血中アルコール濃度を高め、悪酔いする確率も高めます。けれど、その一方で、口当たりが悪く、グイグイ飲みにくいという一見短所に見える長所を持ち合わせているのです。

それに対し、ビールやチューハイなどの低アルコール飲料は、口当たりが良く、飲みやすい上、以前書いたように、吸収速度を促進する炭酸含有であるという大きな落とし穴を持っています。また、今流行の糖質0や甘さ控えめのお酒は、さらに危険。糖というブロックがないため、一段と吸収を速め、どんどんどんどん血中アルコール濃度を高めるのです。それに伴い、体内のアセトアルデヒド量も上昇。自分ではそんなに飲んだつもりはなくても悪酔いする事の多い酒類だという訳です。

ところが、焼酎やワイン、洋酒になると、いささか話は違って来ます。ほろ酔い期で止めたい場合、ビールやチューハイならジョッキ1杯しか飲めませんが、焼酎ならコップ2杯、ワインや洋酒にいたっては、グラス3杯も飲めるではありませんか!! しかも、ビールと異なり、焼酎や洋酒は、正にアルコール度数ピンからキリまで。当然、アルコール度数が低ければ低いほど血中アルコール濃度は下がり、多少飲み過ぎても、悪酔いするリスクは下がります。さらに、ワインのハーフボトルを1本チャージし、マイペースで飲むというのもありでしょう。

加えて、ここがポイント。焼酎や洋酒は、水やお湯でわれば、十分な水分補給も出来、脱水状態を防ぐと同時に、血中アルコール濃度の急上昇も抑えられます。逆に、焼酎や洋酒は、元来の水分量が絶対的に不足しているため、ストレートで飲むと脱水のリスクを高め、血中アルコール濃度を上昇させます。

ただし、いくら薄めても、その分沢山飲めば意味はありません。あくまでも焼酎なら250ml、ウイスキーやブランデーなら100mlまでにとどめておくのがお約束です。けれど、焼酎や洋酒なら、それで十分! ビールやチューハイはグイグイ飲んでカッコいいものですが、焼酎や洋酒、そしてワインは、ちびちび味と香りをじっくり味わうようにして飲んでこそカッコいいもの! 正しく大人の飲み方で、そんな大人のお酒の飲み方は悪酔いもしにくいという訳です。

水もがぶがぶ! 子供のような無邪気な飲み方も悪くありません

お酒を飲んだ後に襲って来る頭痛や吐き気などの不快感は、基本的にはアセトアルデヒドの仕業です。しかし、実は彼には強力な共犯者がいます。それが「脱水」! そう言われれば脱水症の症状とよく似た部分もあるなと思う方も少なくないでしょう。実際、中瓶2本、あるいは中ジョッキ2杯にあたるビール1000mlを飲むと排泄が促される水分量は約1100ml。そう、入る水分より出る水分の方が多いのです。ではでは、なぜ、このような不思議な現象が起きるのでしょうか?

確かに、元々ビールは水にアルコールを溶かしたようなもので、500mlあたり、アルコール25mg、水約470mlという飲料です。しかし、それでも中ジョッキ2杯で摂取する水分量は940ml。1100mlというのはほど遠い量です。

ところが、問題は水分量ではなく、アルコール含有量の方で、なんと、アルコールには、たった50mgの摂取で600mlから1000mlの利尿作用があるというではありませんか!! そうなると、中ジョッキ2杯飲めば、摂取するアルコール量は50mgですから、1000mlの水分が放出されても不思議ではありません。加えて、ビールには「ナトリウムを水分とともに尿中に排泄する事でデトックス効果の高い排尿を促す利尿作用を持つ物質「カリウム」も豊富に含まれています。そのため、1000ml飲んでも1100mlの水が放出されてしまうという訳です。

ならば、その足らずの100mlはどこの水かと言えば、当然、体内の既存の水、血液と体液です。しかも、アルコールの利尿作用は、本来なら、体内に水分余剰の乏しい場合や環境的にトイレに行くのが難しい際に作動して尿意を抑制する“ADH”こと「抗利尿ホルモン」の分泌を抑えるために生じるもの。所構わずトイレに直行したくなるのはそのためで、体内に十分な水分があってもなくても排尿させます。結果、意識的に水分補給しなければ脱水状態になり、熱中症の時のような不具合を生じるという訳です。

特に、まだビールのように自らが多量の水分を含む飲料の場合は、給水と放水の差が少なく抑えられ、脱水症状のリスクも低めですが、焼酎や洋酒、ワインのように、元々水分量の少ない飲料で且つ、アルコール濃度の高いお酒は要注意。ストレートで飲む場合には、片手にお酒、片手に水というのが理想です。こうなると、先ほどとは逆に、何だか子供っぽい飲み方ですよねぇ!? でも、これもまた、かなりの高確率で悪酔いを防止出来る飲み方なのです。

いかがでしたか?

酒酔いのメカニズムが理解出来れば、自然と人に優しく自分にも優しいお酒の飲み方というのも分かって来る事でしょう。まず、悪酔いを防ぐためには、中途半端な飲み方はいけません。
アルコール度の高いお酒をじっくり時間を掛けて飲む大人のシックな飲み方をするか?
水をがぶがぶ飲みながらお酒を飲む子供のような無邪気な飲み方をするか?
二つに一つです。

さらに、一度は自分の適量を知るためにも、限界を決めず飲んでみるのも悪くはないでしょう。ただし、その場合は、時間を掛けて少しずつ験し、気分が悪くなったところで、“これが自分の適量!”と悟る事が賢明です。

Posted by kenko-st